International Symposium on the Truth of Fukushima Nuclear Accident and the Myth of Nuclear Safety

シンポジウム「福島原発で何が起きたか―安全神話の崩壊」

2012年8月30日(木)・31日(金)/東京大学駒場キャンパスにて

【8/11追記】 非常に多くの方から参加のお申し込みをいただき、ありがとうございました。会場については、約400名が収容できる「駒場コミュニケーション・プラザ南館2F」に変更しました。しかし、すにその会場でも満員のお申し込みを頂いておりますので、8月10日までに参加費を振り込んで頂いた方までで、参加受付を終了させていただきました。

なお、今回のシンポジウムにあわせて来日するアーニー・ガンダーセンさんの講演・発表は、このシンポジウムのあとに、東京、新潟、京都でも予定されています。http://kkheisa.blog117.fc2.com/blog-entry-97.htmlに情報をまとめておりますので、ご覧下さい。


開催趣旨 /  開催概要 /  プログラム



開催趣旨

3・11東京電力福島第一原発事故は、核技術の暴走がいかに悲惨な結果をもたらすかを示しました。この福島原発事故は、未だ進行中です。福島原発から出る放射能は、大気、水、土、人体、そしてすべての生き物を汚しながら広がり、人々の生活と生態系を脅かし続けています。

一方、このような原発事故がなぜ起きたのか、事故原因とそのプロセスは、未だ確定されていません。それゆえ、「マネジメントに抜かりがあった」「想定外の津波がすべての原因だ」といった安易な説が流布され、管理さえしっかりすれば原発は安全に運転できるという主張=安全神話が、一部の原発関係者によって臆面もなく繰り返されています。

このシンポジウムは、科学的・技術的観点から、現時点で到達し得る福島原発事故の真相に迫ることを目的として企画されました。さらに、このような巨大事故を引き起こした日本の原発政策を検証し、いかに安全性がないがしろにされてきたかを明らかにしようというものです。

今、日本は、脱原発への道へ進むか否かの分かれ道に立っています。脱原発を求める声は巷に満ちているにもかかわらず、政府は安全性の検証や対策を先送りにしたまま、原発の再稼働を急いでいます。福島原発事故の真実を明らかにし、検証の結果を世界に向けて発信することが、日本の科学者・技術者の大きな責任であると私たちは考えます。

それに際してとりわけ私たちが問題にしていることは、福島原発事故について、いまだに基本的な情報が不十分であり包括的な分析がなされていないということです。東京電力や原子力安全・保安院、あるいは原子力推進に密接に関与した専門家たちからの発信は、3・11を招いた原子力発電の本質的な危険性や原発推進の利権構造への言及を避けたものばかりです。

このシンポジウムでは、人びとが幸せに生きてゆける社会の実現をめざす科学者、技術者の視点から、福島第一原発で何が起きたのか、今、何が起きているのか、その原因は何かについて、議論を深めたいと考えています。それをふまえ、あらためて核にかかわる技術と市民社会のあり方を検証するとともに、それらを世界の人々にも発信してゆきます。


開催概要

■日 時 2012年8月30日(木)9:30〜18:00 (18:30から懇親会を開催します)
   8月31日(金)9:30〜18:00

■会 場 東京大学駒場キャンパス 数理科学研究科 大講義室(定員250名)

【8/10 会場変更】「駒場コミュニケーション・プラザ南館2F」(収容人数400名)
京王井の頭線「駒場東大前」駅の「東大口」からシンポジウム会場まで徒歩5分ほどです。
詳しくは、こちらからご確認ください。→ http://www.utcoop.or.jp/shop/map.html#cb

■参加費 一般:5,000円 学生(PD、大学院生を含む):2,000円
※ 参加費は二日間通しの料金です。一日のみの参加の場合も一律の料金です。
30日の懇親会参加費は3,000円です。

■申込み 参加費の払い込みをもって参加申込みとなります。
申込みが定員に達したところでこのサイトでお知らせし、受け付けを終了します。

【8/11追記】8月10日入金分までで、参加受け付けは終了しました。

払込口座:郵便振替 00160-4-758972
口座名義 高木基金(シンポジウム預かり口)


■主 催 「福島原発で何が起きたか―安全神話の崩壊」シンポジウム実行委員会
実行委員長:黒田光太郎 / 事務局長:菅波 完
E-MAIL:symposium★takagifund.org(★を@に直してください)
FAX:03-3358-7064


■共催団体 柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会
原子力資料情報室
東京大学持続的開発研究センター
東京大学「人間の安全保障」プログラム
東京大学原発災害支援フォーラム
APAST(The Union for Alternative Pathways in Science & Technology)
高木仁三郎市民科学基金

■協賛団体 エントロピー学会
高木学校
市民科学研究室
環境エネルギー政策研究所
法政大学サステイナビリティ研究教育機構
プラント技術者の会


プログラム

8月30日(木) シンポジウム第一日
9:30〜9:40 開会挨拶・趣旨説明:シンポジウム実行委員長 黒田光太郎(名城大学教授)

セッション1:「福島第一原発で何が起こったか」
9:40〜12:00 コーディネーター:井野博満(東京大学名誉教授)

● 田中三彦(サイエンスライター、国会事故調査委員会委員)
「福島原発事故における地震による機器損傷の真相に迫る」

● ア−ニー・ガンダーセン(フェアウィンズ・アソシエーツ社 チーフ・エンジニア)
「福島原発事故から、すべての原子力関係者が学ばなければならないこと」

13:00〜15:00 コーディネーター:山口幸夫(原子力資料情報室共同代表)

● 石橋克彦(神戸大学名誉教授、国会事故調査委員会委員)
「地震列島の原発の必然的帰結としての『福島原発震災』」

セッション2:「放射能汚染の現状」
15:30〜18:00 コーディネーター:細川弘明(京都精華大学教授)

● 今中哲二(京都大学原子炉実験所)
「福島原発事故による放射能放出と放射能汚染の実像」

18:30〜 <懇親会>


8月31日(金) シンポジウム第二日
セッション3:「日本の原子力政策と安全神話の形成」
9:30〜12:30 コーディネーター:舩橋晴俊(法政大学教授)

● 吉岡 斉(九州大学教授・副学長、元政府原発事故調査委員会委員)
「福島原発事故の「政策失敗病」としての諸側面」

● フィリップ・ワイト(オーストラリア アデレード大学)
「原子力「平和」利用と核開発」

セッション4:「核をめぐる科学・技術のあり方」 
13:30〜16:30 コーディネーター:丸山真人(東京大学教授)

● 高橋哲哉(東京大学教授)
「犠牲のシステム――責任をめぐる一考察」

● ミランダ・シュラーズ(ベルリン自由大学教授、「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」委員)
「エネルギーの倫理と科学者・産業界・政治家および社会の責任
−ドイツ「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」の経験から」

● 池内 了(総合研究大学院大学理事)
「原発の反倫理性と科学者の社会的責任」

セッション5:「まとめ:あらためて科学者・技術者の立場から」
17:00〜18:00 ● 主催者からのまとめ

※ 発表のタイトルは変更になる場合があります。
  このウェブサイトには、変更等を反映した最新情報を掲載しています。
  8月30日のセッション1は、日・英同時通訳つきで実施します。その他のセッションは日本語で行います。